栗?!
早口駅前の事務所の改装は、土台の一部交換からスタートしました。
築75年の物件です。
そのまま使用できる状況ではない事は覚悟していましたが、壁を剥がしてみると予想以上の朽ちっぷり。壁を剥がし、まだ使用可能な土台の範囲を確認しながら、朽ちた土台を外していきます。
しかし、元の土台に使われている木が妙に硬く、いつものように作業が進みません。
「?!」と思い、調べたところ栗の木でした。
築75年というと、戦後直後。
今ですと栗の建材は高価なイメージですが、その時代手に入りやすい建材が地元産の栗の木だったのでしょう。
時代を考えればあたりまえの事かもしれませんが、今の時代、栗の建材は高価なだけではなく、使用する職人の腕も必要な建材です。
商店建築にも県産材が使われていたという建築物としての「面白さ」。
嬉しい発見でした。
東北では古くから「建材としての栗」に馴染みがあったようで、青森県の三内丸山遺跡の大きな柱にも栗の木が使われています。
そこにあるもので「衣食住」をまかなっていた時代から、今はそこにあるものだけで「衣食住」をまかなう事が難しい時代です。
栗の小さなイガを眺めながら、暫し考えこんでしまいました。
PR担当 佐藤