K様邸
周辺にはりんご畑や田んぼが広がり、家の南側にはイワナも泳ぐ小川が流れています。
登山が趣味のご夫婦からのリクエストは「開放的な住まい」。
この土地の真冬はマイナス10℃以下にもなる北東北の内陸という環境です。
断熱性能を強化して、家の中どこに居ても快適な24時間全熱交換換気とエアコンを用いました。
元々の間仕切りを取り払らったゆったりとしたリビングは冬は雪の山並み、夏は木々の緑を存分に感じながら季節を通して快適に過ごせる空間になりました。
元々の外壁の外側に断熱材を追加し、その上から新たに岩手県産の杉板を張りました。
秋田杉の無垢床材と色数を抑えた壁面で、明るくシンプルにまとめた玄関。
素足でも優しい踏み心地。
室内との延長にあるキッチンなので壁面、建具などの色合いを揃え、広がりを感じられるように。
背面のカップボードには食器、調理器具なども一緒に収納出来るため、細々した物の多いキッチンもすっきりとした印象になります。
大きなガスオーブンもキッチンと一体で収納出来るよう、特注の天板を用いて据え付けました。
既存より高さを上げた天井には調光出来るダウンライトをリズミカルに配置。
元々の梁を空間のアクセントとし、秋田杉の床材、栗材の造作家具との調和も図りました。
家具は青森県のEasy Livingさん。
リビング横には12畳の和室。
リビングから和室への壁面は同色で続けました。畳の色合いとも調和がとれる色味を選択。
寝室、客間としても使用できるよう、リビングとの境には大きな吊戸を造作しました。
薪ストーブ後ろのガラリで仕切った空間は朝から日中にかけて太陽光が差し込むサンルーム。
家事スペースとして使用出来ます。
薪ストーブの効率を重視して屋根抜きを選択。煙突への積雪荷重を最小限にする為、棟部分を目がけて設置しました。
敷石には秋田県男鹿半島・寒風山の男鹿石を使用。
コンパクトな空間ながら広さを感じられるよう色を絞り、明るい印象になった寝室。
空調は一台のエアコンでリビングから寝室まで同じ温度で調整。
秋田県大館市産の十和田石を正面に使用。
涼しげなブルーの色合いとステンレスの硬質な素材感でクリアな印象に。
UA値=0.36W/(㎡・K)
K様邸
地域 秋田県鹿角市
用途 住宅
2021